2015年11月19日

横浜・伊勢佐木町 物語<80>


キング、クイーン、ジャック――横浜三塔


異国情緒あふれる建物がひしめく 「日本大通り」 と一本北側にある
「みなと大通り」 にあって、市民をはじめ多くの人々に “伝説化” されているのが、
それぞれキング、クイーン、ジャックの愛称をもつ 「横浜三塔」 である。

神奈川県庁本庁舎の、横に長く左右対称の建物の中心に伸びる高さ48.6メートルの
塔がいわゆる 「キング」 だ。

石とスクラッチタイルを貼りこみ、西洋建築に日本様式を取り込んだ地上5階、
地下一階の庁舎は帝冠様式の先駆けとなった建築物だといわれている。

いまなお現役となる県庁の本庁舎で、国登録有形文化財に指定されている。

そのキングの塔の斜め向かいの位置にあり、日本大通りの駅を挟んだみなと大通りに
あるのが横浜市開港記念会館だ。

ネオルネッサンス様式の赤レンガ造りの建物は美しくロマンティックである。

通りの角部分にそびえる時計塔が開館のシンボルで、「ジャック」 の愛称で
広く親しまれている人気スポットである。

そして、みなと大通りから山下臨海線プロムナードに向かう地点にあるのが
横浜税関であり 「クイーン」 の塔をもつ。

目の前はもう横浜湾となる。

現在の税関庁舎は三代目で、この三代目庁舎は昭和9 (1934) 年に竣工された。

西洋建築様式の建物の上に、イスラム教寺院のような淡いブルーグリーンのドームを
乗せた塔が立っている。

この横浜三塔には、キング・クイーン・ジャックが地上から同時に見える場所すべてを
巡ると願いが叶うという伝説がある。

その場所は市内に三カ所あり、伝説の由来はふたつある。

ひとつは三塔が震災など多くの試練を経て今に残っていることから、
困難を乗り越え願いが叶うというもの、もうひとつは外国人の船乗りたちが
航海の安全を願掛けしたというものだ。

ちなみに、神奈川県本庁舎の正面入口前、大桟橋の屋上、
赤レンガ倉庫の岸壁の突端が、三塔すべてが見える場所である。

こうした歴史的建造物の多くが、
一度は関東大震災や戦争などで消失したり破損したりした。

ヨコハマは震災や戦争の被害が大きい地域だ。

しかし、度重なる被害にも屈せず、
ヨコハマに関わる人々はこうした歴史的建造物を何度となく復活させてきた。

それはもっとも歴史ある街の伊勢佐木町でも同様だ。

代々、横浜市に住む人々は街の発展の原動力となった異国文化を尊重し
愛してきたのだろう。

<以下、つづく>

三塔
Yahoo!「横浜三塔の画像」より


Posted by やすちん at 23:07│Comments(0)
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